大菩薩嶺(奥秩父)〜気軽な稜線歩きと異彩を放つ富士を終止見続ける初夏の旅〜
2013年06月01日(土)
山梨県甲州市と丹波山村に跨がる大菩薩嶺(だいぼさつれい)に行ってきました。
標高は2,057mあり奥秩父山塊に属します。
都心から近く、気軽に2,000mの景色を楽しめるほかに、公共交通機関の便が良いことから
年間通じてたくさんの登山客で賑わっています。
この時期ならではの厚い雲に覆われた一日でしたが、決して悪天候ではない不思議な空気を味わうことができました。
大菩薩嶺の記録
早朝都心を車で出発して中央自動車道の渋滞に巻き込まれながらも大菩薩嶺の登山口である上日川(かみにっかわ)峠に到着したのは9時頃。
約60台くらいの駐車場はほぼ埋まっており、マイカーのほかにもタクシーとバスが次々と来るため上日川峠周辺は非常に活気づいていました。
公共交通機関で訪れる人は甲斐大和駅(かいやまとえき)からバスか、塩山駅(えんざんえき)からタクシーに乗ると辿り着けます。
ざっくりコース説明をすると、
1.上日川峠から大菩薩峠へ
2.大菩薩峠から大菩薩嶺へ
3.大菩薩嶺から再び上日川峠へ
こんな感じにマイカーでも周回を楽しめるルートです。
この時期日帰りで比較的気楽に行ける山を探していたらこの大菩薩嶺を見つけました。
6月上旬は高い山だとまだまだ雪が残っていて経験が浅い人には簡単に踏み入れることができないです。
あとから地図を観て気づいたのですが大菩薩嶺登山口付近にある石らしいです。
30分もしないうちに福ちゃん荘が観えてきました。
車でほとんど来れたところだけど標高1,720mあります。
下から歩いて来たら大菩薩嶺も気軽なハイキングとはならないでしょうね。
よく山小屋に売ってる日本百名山のれんが福ちゃん荘にもありました。
山バッチとか付けるのに便利かもしれませんね。
綺麗なトイレ。
ここから大菩薩峠までトイレがないので済ませておくと良いかもしれません。
6月になり初夏の花が咲き始めています。
ハイキングコースというだっけあって道幅も広く歩きやすいです。
福ちゃん荘から5分くらいで富士見山荘(ふじみさんそう)に到着しました。
木のブランコがあるので遊び心が残っている人は楽しめますよ。
富士見平というだけあり今日初の富士山を観ることができました。
厚い雲は上空のほうにあるためか晴れているわけではないのに周りの空気は澄んでいました。
なんとも不思議な感じです。
大菩薩峠はここから30〜40分くらいかかります。
再び景色はなくなり写真のような登山道が続きます。
大菩薩峠には山小屋、介山荘(かいざんそう)があります。
ここに泊まって富士山をバックに日の出を観るのもありかもしれませんね。
大菩薩峠には売店があります。登山を初めたばかりの人にとって行程の途中にこういった売店や人がいるのは安心するし楽しめるかもしれませんね。
AM10:35 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)
明るく開けた場所に出たらそこは大菩薩峠でした。峠は人気のためかさすがに混んでました。
ここから大菩薩嶺までは気持ちの良い稜線歩きの始まりです。
大菩薩嶺が有名になったのは小説家、中里介山の長編小説『大菩薩峠』の人気が高まったことで注目されたことが大きいみたいです。
この小屋名はそこから来ているのかな。
稜線に出ても風があまり吹かず静かなひととき。
甲府市を見下ろすようにそそり立つ南アルプスの山脈も稜線から観えます。
日本の各所に盆地と名の付く地域はたくさんありますが、その中でも甲府盆地は南アルプスの3,000m級や奥秩父の2,000m級に囲まれて完全に周囲と孤立している気がします。
このとても重そうな方位盤はヘリコプターでここまで運んだのかな。
この日の大菩薩峠は非常に賑わっていました。
周回コースなので大菩薩嶺から来る人もいるみたいです。
このピラミタルな山容は甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)でしょうか。
さぁ稜線を進みます。途中岩場というほどの場所ではないが岩の登り返しが待っています。
1都2県の国立公園に属している模様。
秩父は埼玉県、多摩は東京都、甲斐は山梨県です。
あとから知ったのですが、大菩薩湖(だいぼさつこ)と言うそうです。
上日川ダムとも言うらしく上日川峠から歩いて20分くらいで辿り着くそうです。
稜線の終点である雷岩(かみなりいわ)までの道のりには前述の小説『大菩薩峠』の著者、中里介山の文学碑が立っていました。
一年のうち、この絵画のような富士山を何度観ることができるかわかりませんが、少なくとも、この日この場所において、この景観を眺望できたことは今後忘れることにない記憶になると思います。
介山荘が遠く小さくなってしまいました。
あ、色違いのザックだ。
この日このザックの他のカラーを背負っている人もいました。人気なんですかね。
稜線を進みます。
賽ノ河原(さいのかわら)
明治の初めまではここが大菩薩峠だったそうです。当時ここで遭難する人が多かったため現在の峠に道を付け変えたみたいです。
まさに賽ノ河原ですね。
中で休憩できるそうです。
稜線から景色を楽しんでいたら福ちゃん荘があんなところに小さく観えました。
雷岩手前に標高2,000m地点の看板があります。
こんなお手軽に来ることができる2,000mもなかなかありません。
この先山頂へ行くと樹林帯に突入してしまうため雷岩で休憩を入れます。
世界的にも最高級(?)のpH10.05の高アルカリ性温泉だそうです。
露天風呂もあり気持ち良い温泉でしたが、温泉のアピールが館内放送で流れて風情台無しです。
大菩薩嶺のまとめ
「富士山が観たい!景色の良い山に行きたい!」
そんな要望に応えれる山梨県の大菩薩嶺は、登山を始めたばかりの人や低山ばかりで飽きてしまった人や次のステップに進みたい人などに強くお勧めできる山です。
電車やバスでも来れるところで人がたくさんいるので不安な人も安心して臨めると思います。
高山の稜線を歩いたことがない人はまず、この大菩薩嶺の稜線を歩くところから始めてみるのも選択肢の一つでしょう。
大菩薩嶺の位置
大菩薩嶺の地図