金峰山(奥秩父)〜自然の凄さを感じる五丈岩、山梨の山奥を目指す奥秩父の旅〜
2013年07月13日(土)
長野県と山梨県に跨がる金峰山(きんぷさん)に行ってきました。
標高は2,599mで秩父多摩甲斐国立公園に属し、奥秩父山脈の盟主にして指折りの高峰であります。長野県側では「きんぽうさん」と呼ばれています。
地味な印象の奥秩父山域は遠方から眺めたとき、山脈の一つ一つの山を特定することが未だにできませんが、金峰山にはシンボルである五丈岩(ごじょういわ)があり、遠くから観たときに目印になります。
すっきりしない天気の中、温泉と山梨名物ほうとうを楽しんだ山梨県の旅のスタートです。
金峰山の記録
大弛峠
当初の予定では栃木県方面の登山を考えていたのですがあいにくの悪天候。
そこで行き先を天候が安定している山梨県方面へ急遽変更することにしました。
金峰山への登山ルートはいくつかありますが、都内から日帰りで比較的行程が楽な大弛峠(おおだるみとうげ)からのルートを選択しました。日本の峠の中で一番高い場所に位置する峠です。
駐車場までは長く細い舗装された山道を走ります。
大弛峠は長野県と山梨県の県境になっています。山梨県側は舗装されていますが長野県側は砂利になっています。
金峰山山頂まで3.6km。約2時間半の行程となってます。
登山開始
AM10:21
安定の中央自動車道の渋滞に少し巻き込まれ遅いスタートになりました。
序盤は樹林帯を進みます。
最初のチェックポイント朝日峠(あさひとうげ)に到着。
ケルンが積まれているくらいで他には特になにもありません。
乱立する木々が見えると同時に、森林限界が近づいてきました。
登山口の大弛峠が標高2365mもあり、ほとんど苦労せず森林限界に来ることが出来ました。
道路の発達に対して善し悪しはあると思いますが、ビギナーの自分たちにはとても助かります。
ガレ場を少し登ると景色が一気に開けます。
AM11:31
朝日岳(あさひだけ)2,579m到着
第2チェックポイントまで登山口から約1時間で来れました。
なにか咲いてます。
金峰山へは一度下ります。
大弛峠からのルートは、
登り→下り→登り
という感じです。
少し下ったところから五丈岩が観えました。あそこまでの登り返しがキツそうです。
鉄山(くろがねやま)の山頂の北側を巻く感じに登山道を通ります。
ここも願望は特になし。
あとから知ったのですが南側に出れば稜線と五丈岩が見えるそうです。
稜線から山頂へ
稜線に出ました。
しかし風が強くて今にも飛ばされそうです。中腰で岩場を移動して行くような方法しかこのときの移動手段はありませんでした。
雲がもの凄い勢いで移動していました。
自分ももの凄い勢いで飛びそうになるところです。
AM12:28 金峰山 2,599m 到着
あと1mで2,600mに届かないところが奥秩父らしい地味さを出している気がします。
コースタイムより少し早く到着しました。山と高原地図には奥秩父一の展望と表記されている通り山頂からの景色は開放的で気持ちが良いです。
そして大弛峠から金峰山名物である五丈岩と対面することができました。
五丈岩は登ることができるそうですがそれは後ほど...
ランチタイム。
会社帰りのスーパーで見つけた真空パック保存された柚子胡椒味のチキンを今回の登山記念ということで2人にもてなすことにしました。
湯が沸くまでの間に...
先日「キャノンボール」という映画を観ました。
北アメリカ大陸を車で誰よりも早く横断することを競う非公認のレースを題材にしたカーアクション映画。
冒頭のオープニングシーン。
ランボルギーニのカウンタックが制限速度以上で飛ばしてそれを警察が追いかける場面。
早すぎる上ここまで警察に挑戦的だと爽快です。
この映画には他にもフェラーリやアストンマーチなど車を知らない人でも聞いたことがあるような車がレースに参加します。
車だけでなく有名な俳優も何人か出ていました。
ジャッキー・チェンが日本人役で富士重工のスバル車に乗っていました。
古い海外映画の日本人役はなぜ日本人がやらないのか小さい頃から疑問です。
なんでもありの過激な大レースに相反して登場するキャラクターたちはアメリカを象徴するような自由陽気の集まりです。
まだ出来上がるまでに時間があるので 少し昔の話をさせてください。
自分の地元は北海道の田舎町です。
市という肩書きは一応ありますが名ばかりで街の中心街は寂びれ果て、店の入り口はシャッターが目立つばかりです。
そう、地方の街によくある光景です。
そんな懐かしい地元ですが他の街と少し違うところがあります。それは電車が来ないのです。つまり駅がないのです。
そんな街で育った世間知らずな自分は、上京して最初の乗車のとき、現在住んでいる最寄り駅へ向かう路線に乗ったのですが、反対方向へ向かう車両に乗ってしまいました。
慌てて降りて再び反対のホームに行くことになったのですが、一度降りたホームから違うホームへ行っていいのか、そのときの自分にはわからず改札の駅員に訪ねました。
すると小馬鹿にした笑顔で軽く「どうぞ。」と言われました。
少し都会が嫌になったことは内緒です。
そんなことを頭の中で回想をしていると、カップ麺が出来上がったぞと言わんばかりに熊本県のご当地キャラがこっちを見てきました。
腹も膨れ、五丈岩を登ります。
この頃にはもう強風は納まっていました。
上までは行けるみたいですが自分のスキルでは厳しかったためやめました。
悔しいので飛んでみました。
危ないから真似しないでください。
下山開始
PM13:30
来た道を戻ります。
五丈岩の見納めです。
一説によると、はるか昔人の手によって運ばれたとか運ばれていないとか。
山頂標識まで戻ってきてとりあえずジャンプする会社の同期、せつ子。
初めての登山にウキウキしているみたいです。
観えますね。薄らと。
奥秩父を代表し、金峰山と並ぶ盟主である瑞牆山(みずがきやま)が眼下に見られます。
ゴツゴツした岩場が特徴で、 他の岩稜地帯に属する山と違い針葉樹林とセットであり、緑の中からまるで岩が生えてきたかのような山です。
いずれ機会があれば行ってみようと思います。
八ヶ岳は見えません。
岩から岩を乗り越え、樹林帯への入り口まで戻ります。
少し恐い「山」の文字。
再び樹林帯の中へ戻ります。
富士山を背景に変なポーズをしているせつ子。
往路ではあまり気にならなかったが、この場所は開放感もあり展望良好です。
PM15:49 下山
2時間弱で戻ってきました。下山した人や奥秩父を縦走している途中の登山者たちで大弛小屋は賑わっていました。
夢の庭園が少し気になりましたが、時間と天候を考慮して止めました。
その後、車に近づくと雨が降り出し始め正しい判断だったとほくそ笑みました。
ほったらかし温泉
雨の中車を走らせ、場所を移動して甲府盆地を見下ろす丘の上にある笛吹川フルーツ公園のさらに上にあるほったらかし温泉に来ました。
星空が天井☆ほったらかし温泉公式ホームページ
この温泉に来るのはこれが三度目です。
二度目に来たときは温泉に浸かりながら日の出を浴びることができて清々しい朝を迎えた記憶があります。山梨に来た際にもし温泉をお探しなら お勧めです。
温泉のあとはフルーツ公園から下って来たところの交差点付近にある店で山梨県の伝統料理のほうとうを食べて帰りました。ほうとうを食べたのはこれが三度目で店によって味が違うことを最近知りました。
ほうとうの大会で優勝したことを強調していたので分かりやすいかと。
帰り道は渋滞に巻き込まれることもなく東京へ戻ることが出来ました。
金峰山のまとめ
金峰山は初めて自分の案内で人を登山に連れてくることができた山になりました。
「行程に無理はないか。」
「風が強い予報だが装備は間に合っているか。」
考えればキリがないが、自分の責任で山に人を連れて行ったことはとても貴重な経験になりました。
梅雨時の登山で雨に少し打たれ、強風を浴びるときもありました。
そんな中でも富士山を観ることができて、山頂にある五丈岩に辿り着くことができて金峰山のほんの一部ですが堪能できた気がします。
次に来るときは瑞牆山とセットでまた違うコース、角度からアプローチしてみたいと思います。
金峰山の位置
金峰山の地図