年越しの白馬村(前半)
2015年末年始。
長野県北安曇郡白馬村を訪れました。年末年始の連休を生かして冬の白馬村に滞在し、滑って、食べて、好きな場所で車中泊するスタイルで旅をしてきました。
白馬村から小谷村に向かって北上してスキー場を滑る計画を立てました。前半は白馬の空気感に少しずつ身体を慣らしていきました。
1日目|白馬五竜
2015年12月29日
深夜の軽井沢に差し掛かった頃、雪が薄っすらと降り注いでいた。
長野市内から集落を抜けて白馬村に近づいた頃、車道横で脱輪しているレンタカーがいた。同い年かそれより年下の若者のようだ。朝一番の凍結路は用心しなければならない。北海道出身だから冬の運転は慣れているねとよく言われるが、そんな事はない。
白馬村最初のスキー場をどこにしょうかと思案したとき、理由はわからないが白馬五竜スキー場が頭に浮かんだ。そこから一つずつ北上して日本海まで行く計画を思いついた。
2015-16シーズンは日本全体で近年稀に見る少雪の年だった。年末年始の白馬村もその影響を受けていた。雪不足で白馬五竜のゲレンデは、アルプス平と呼ばれる上部エリアのみ解放されており下部まで滑れない。ゴンドラで往復するほかなかった。
スキー場トップから少し歩いたところにある「地蔵の頭」を訪れた。先行していた2名と少し話をすると、茨城県から今日来たと言っていた。みんな遠路遥々来るのが普通のようだ。
ゲレンデはすでに飽和状態で滑るのに苦労した。この後何日も滑ることを考えて午前中で切り上げた。
下山すると雲が取れて青空が出てきた。
白馬村を挟んでスキー場の反対側にある大出の吊橋に来てみた。こちら側は白馬村の東側にあることから地元では東山と言われているそうだ。
北アルプスは変わらず雲の中にある。徐々に日が沈んできた。冬の活動時間は短い。
今夜は先ほど訪れた大出の吊橋近くで寝ることにした。夜になると川の音が少し聞こえるがそれ以外は何も聞こえてこない。静かだ。
2日目|八方尾根
2015年12月30日
朝方、シュラフの顔が露出しているあたりの結露で目が覚めた。車で寝るのはこの時期初めてだったが、案外寝れるものだ。
冬の日の出は遅い。2日目は白馬八方尾根スキー場へ向かった。
駐車場の広い名木山ゲレンデからリフトを乗り継いで標高をあげると視界が悪い。グラードクワッドでゲレンデトップの八方池山荘へ向かうとそこは標高1,930mあった。晴れていればどんな景色が見られるのだろうか。
八方尾根も五竜と同様、スキー場下部は雪不足のため閉鎖されている。年末の八方尾根は人がとても多いのでリフトも大変並ぶことになる。仕方がない。
途中で名木山ゲレンデが一部解放されてリーゼンスラロームを少し滑ることができた。トップからボトムまで尾根を一気に滑り降りるリーゼンスラローム大会は白馬村の歴史そのものかもしれない。
満足したので下山すると、八方尾根スキー場の周りは外国さながらの雰囲気に包まれていた。白馬村も北海道のニセコのようになっていくのか。
昼食は「sounds like cafe」で巨大ハンバーガーを食べた。欧米人志向な昼食になった。
天気が良くなってきた頃、後立山連峰を背景に特急あずさが走る。僕は撮り鉄ではないが、とても絵になる風景だ。
八方尾根のその背後に白馬岳が姿を表した。厳しい白馬村の冬にも時々こういった晴れ間がある。そんな時に見える白馬岳からは人を寄せ付けない厳しさを感じた。
線路を挟んで対岸に賑やかさはなく、白馬村本来の静けさが流れている。いい場所だ。
北アルプスの背後に沈む夕日を見送り、白馬村に豊富に湧き出るアルカリ性の温泉で冷えた身体を温めた。
明日は大晦日。2015年最後の日となる。
後半に続く。