草津白根山(上信越)〜秋晴れの青と火口湖の琥珀色、日本有数の活火山を歩く旅〜
2013年9月29日(日)
草津白根山(くさつしらねさん)に行ってきました。
草津白根山は現在も活動を続ける活火山であるため、噴火警戒レベルが上がったときは周辺立ち入り禁止制限がかかる非常に危険な山。
紅葉には少し早かった草津白根山でしたが、活火山の迫力を感じたことを今も尚、忘れていません。
今回はそんな危険な山へ気楽な週末ハイキングをしてきた記録を残します。
草津白根山の記録
東京から草津白根山へ車で約3時間、関越自動車道を渋川伊香保ICで降りて、長野街道という国道を草津方面へ向けて走らせます。
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草津方面に来たのはこれが2度目。
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周囲の山々が見渡せる秋晴れに加え、9月後半とは思えない陽気がこれから活火山に向かうということを忘れさせる。
現在の活火山警戒レベルは気象庁が発表しているため確認してから山へ向かうことをお勧めします。
山肌に薄っすら紅葉の始まりが見受けられます。
活火山にこれだけの道路を作るという構想自体如何なものかと思うが、そのおかげで容易に2,000mクラスの山にアクセスすることができるので文句は言えません。
ナナカマドの実も赤く色づき、秋色に染まってきた模様。
再び車を走らせ登山口へ向かいます。
開放的な志賀草津道路は走りに行くだけでも価値があります。
時間も昼近くのため観光客がちらほら見受けられます。
午前11時48分
道路を渡り、本白根山へ向けて出発です。本当なら朝早く到着して山頂にいる時間のはずですが、相方が寝坊したため今に至るという経緯があります。
何度か起きれなかったことがありますが、登山当日の寝坊は会社に出勤する日より焦るのはなぜでしょう。
火山付近に道路を作って観光名所にしてしまうとは、昔の人の発想はすごいな。
弓池(ゆみいけ)。
カモが泳いでいる池でした。
戻ってきたら行ってみようと思います。
一応紅葉情報も調べて来たのですが、登山口付近は赤く色づいていました。
序盤は整備された階段を登ります。
この辺は遊歩道の一部ということで整備も行き届いているようです。
草津白根山が活火山ということを確認できるほど、荒々しい姿が見えてきました。
横手山(よこてやま)が見えます。
「日本一高所にあるパン屋さん」
そんな触れ込みのある山頂ヒュッテが横手山の上にはあります。
冬はスキー場に変化するため通年で営業しているみたいです。また、宿泊もできるようになっているため、泊まって朝起き日本一高い所にあるパンを食べれるんでしょうね。
長野の山々が眺望できる展望台へ着きました。
どれがどの山かわからないことがもどかしかったりします。
本白根スキー場のゲレンデに出ます。
本白根山まで約1.7km、熊が出るみたいなので遭遇したら慌てず対処しましょう。
ゲレンデを登り返します。この山の向こうに目的の地が待っています。
事故でしょうか。もしくは熊でしょうか。
ゲレンデを乗り越えると、景色が開けます。そして、これ以上ないくらいの秋晴れで気持ちが高まります。
正面に見える丘の上が展望地となっています。
遊歩道から草津の温泉街を見下ろす。
その奥に上越国境の山々が透き通るほど見渡せます。
秋晴れに万歳。
薄い雲の層から突き出た浅間山(あさまやま)。
いつも遠くから眺めてもはっきりとした形が目立つ山でしたが、ここに来てその存在感の大きさを再認識できた。
周囲の山に興奮している間に歩は進み、来た道を振り返る。
これだけの景色が少し歩いただけで観れることに、草津白根山の魅力が詰まっているかもしれませんね。
午後1時20分
本白根山遊歩道の最高地点2,150mに到着しました。
本白根山の山頂は火山性ガスが漂っているため、立ち入り禁止です。
看板はもう一つ用意されています。
遊歩道最高地点は特になにもないので開放的な道を引き返し、反対側にあった展望所を目指します。
13時42分
展望所は岩が転がっていることもあり、休憩するには丁度良いため、おやつをいただきます。もはや遠足ですね。
秋晴れの静かな時間をのんびり過ごし、下山を開始する。
午後になっても天候は終始安定し、透き通る青が終わらない。
山麓から伸びるゴンドラ。地図やホームページにはロープウェイと書いているけど、これはゴンドラだと思う。
レストハウスに到着。午前中より観光客が増えている気がします。
下山して間もないですが、湯釡へ向けて出発です。
湯釜までは駐車場から約10分ほど。
これまで同様、階段が整備されているためスニーカーやサンダルで問題なく歩くことができます。
もっと近くまで行く道もあるみたいですが、この日は火山性ガスの影響なのか立ち入り禁止でした。温泉のように見えなくもないから飛び込んでみたい。
火口湖周辺の秋を感じさせるナナカマド。
すっかり日は傾き、西日が強く志賀高原に差し込む。秋は日照時間が本当に短いと感じる。
レストハウスにはベーカリーがあるみたいです。
横手山にある日本一高所のパン屋さんは電話で問い合わせたところ、午前中で売り切れになったようです。大人気ですね。
いくつか種類がある中、出来立てのクロワッサンをいただきました。
出来立てはやはりうまい。そしてパン屋さんのパンはうまいというロジックは、世界共通で保たれていると思います。
これだけの開放的な景観が、日本有数の山岳道路と呼ばれる所以でしょうか。
先ほどまでいた湯釜とその向こうに浅間山のダブル活火山。
渋峠(しぶとうげ)に到着。
国内の国道の中で最も高い場所になります。
標高2,172mという数値は、丹沢や奥多摩の標高より高いことになりますね。
ここまで車で来れるとは、文明の利器に感謝ですね。
県境付近に志賀高原入り口の標識があります。
長野オリンピックで盛り上がっている頃は、寒い中、小学校からの帰り道で友達と雪合戦をしながら帰っていた頃だと思います。本気で投げ合っていたあの頃が懐かしい。
閑散とした横手山へのリフトは、冬の訪れを待っているかのようでした。
夕暮れも近づき、肌が冷えてきたため、来た道を引き返し、万座温泉を目指します。
時間も遅かったこともあり、営業している日帰り入浴施設がないかと思われましたが、万座高原ホテルが遅くまで日帰り可能でした。
中は広く、混浴の露天風呂が名物です。堂々と入っているおじさんたちの中へ、中年の女性たちが中々入りずらかったみたいでした。日本の混浴文化はまだまだこれからですね。
温泉を出た頃には、すでに夜は深まり、辺り一帯暗闇が広がっていて少しビビりました。
万座の湯で火照っていた身体は中々冷めぬまま、東京への帰路へついた。
草津白根山のまとめ
日本は活火山の宝庫です。
国内には、活火山と呼ばれている山が、大小含め約100座あります。世界的に見ても、小さな島国にこれだけの活火山がある国は珍しい。
それと同時に、危険な国であることは言うまでもありません。九州のある地域では、天気予報の中で、その日の火山灰情報が流れることは日常茶飯事だとか。
それだけ、生活の中にも「火山」という言葉が関わっているのが、日本という国です。
最近では、2014年の木曽御嶽山の噴火が記憶に新しく、国民の活火山に対する注意は今まで以上に上がり、今後の活火山との付き合い方を考えさせられた出来事になりました。
しかし、悪いことばかりではない。
活火山の近くには、日本国民の魂とも呼べる「温泉」があります。温泉は活火山という大自然からの恵みでもあり、自分たちが死ぬまでお世話になる存在でしょう。
その中でも、草津という地は、日本を象徴する活火山と温泉というイメージを合わせもった一大温泉観光地です。
今回は、スタートもゆっくりであったため、満喫したとは言えないが、それでも草津白根山を知るには十分でした。
次に草津へ行くとすれば、朝から白根山でハイキングをして、昼に草津温泉街を散策。そして温泉に浸かり、余裕があれば山岳ドライブを組み込む。そんなプランが実現できれば充実した日帰りトリップになるのではないでしょうか。
近くには万座温泉もあるので、温泉巡りをすることもできます。楽しみ方は沢山あると思います。
東京から約2時間。ぜひ活火山からの贈り物を堪能してみてください。
草津白根山の位置
草津白根山の地図
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- 作者: 昭文社地図編集部
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