箱根山〜春の箱根カルデラを歩く旅〜
2014年05月04日(日)
神奈川県と静岡県にまたがる箱根山(はこねやま)に行ってきました。標高は最高峰の神山で1,438mあります。
箱根山は、都心から最も近いカルデラ地形であり、その歴史は約40万年前に始まったとされています。中央火口丘の一つである神山の水蒸気爆発により大涌谷が誕生し、火砕流によって堰き止められたことで芦ノ湖が生まれました。
現在の箱根山の特徴として、ロープウェイが設けられており、アプローチの仕方を自身で選択できる魅力があります。東京の新宿駅から小田急線を利用してアクセスする事で、電車やケーブルカー、ロープウェイを利用すれば、ほとんど山頂まで歩かずに辿り着くことも可能でしょう。
今回、僕たちは箱根山最高峰である神山(かみやま)と箱根元宮のある箱根駒ヶ岳を目指して、都心からほど近いカルデラ地形「箱根」を訪れました。
箱根カルデラ
07:34am
早朝、都内を出発し、JR小田原駅に到着した僕とタマ。ここから箱根に向かうためには、箱根登山鉄道に乗り換える必要がある。
ゴールデンウィークということもあり、小田原駅は早朝から賑わっていた。
箱根登山鉄道は、狭い山間部をスイッチバックしながら進んでいく。
この箱根登山鉄道は、スイスの山々を走った歴史があるので、気になる方は調べてみるといい。
観光客でいっぱいの登山鉄道を終点の早雲山駅で抜け出す。
ここから箱根ロープウェイに乗って、大涌谷を目指すことも可能である。
登山道に入ると、木々の新緑が眩しく映った。
5月になるとツツジも咲き始めている。
登り始めて少しすると、大涌谷が見えた。
大涌谷といえば、火山ガスと地熱を利用して作られた「黒たまご」が観光名物として知られている。1つ食べれば7年ずつ寿命が伸びると言われているが、食べ過ぎには注意したいところだ。
その大涌谷は、かつて「大地獄」や「地獄谷」と呼ばれていたが、1873年の明治天皇・皇后の訪問前に、現在の「大涌谷」に改称された。地獄谷と呼ばれるほどの噴煙と地熱は、箱根に行ったならぜひ近くで味わってほしいと思う。
神山手前で富士山の姿も見えてきた。
5月の富士山は、雪が豊富で滑ることもできるため、いつか訪れてみたい。
神山までは細い登山道が続く。ゴールデンウィークということもあり、登山者が多い。
11:14am
箱根火山最高峰である神山に到着した。ここから少し離れた場所で水蒸気爆発が起こり、北西斜面から流れた溶岩堆積物が芦ノ湖を堰き止めたとされている。
また、神山はその名の通り、古来から山岳信仰の「神の住む山」として知られている。
神山から駒ヶ岳へ向けてさらに進むと、森林地帯から草や笹が生い茂る場所へと植生が変化した。
そして、雲ひとつない蒼い空に向かって歩いているようでとても気持ちがいい。
笹道を登りきると、大きく裾野を伸ばす富士山を見ることができた。
ここまではロープウェイでも来れるため、観光で気軽に来ることもできる。
箱根火山で2番目に大きいのが駒ヶ岳。
神山が「神」であり、駒ヶ岳はその神を祀るための「祭」を行う場所とされており、今でも箱根元宮では、10月24日に御神火祭が行われている。
その箱根元宮へ。
山の頂にあるとは思えない立派さ。
ロープウェイ乗り場横からは芦ノ湖も見える。何度も言うように、箱根火山が噴火したことで形成された堰止湖。
箱根山の噴火は、温泉や湖として今の世に繁栄をもたらしていることがわかる。
早雲山まではとてつもない混みようだったが、駒ヶ岳山頂はそんなに混んでいない模様。
登って来た道を下山するに連れて、辺り一帯がスギの木へと変わってきた。
箱根湯本駅まで来ると、観光客で賑わっている菓子屋や土産屋がたくさんあった。
僕らは帰る前に箱根火山の恩恵を少しでも受けるため、温泉に入って帰ることにした。
駅裏にある「かっぱ天国」という野天風呂。テレビの取材が入っているところだった。
湯上りには日も少し傾き始めていた。この時期は夕暮れが遅いため、活動時間も長く、1年の中でも好きな時期の一つ。
そんな春の箱根で、火山の歴史と温泉に触れて満足し、東京へ戻った。
箱根山を旅して
最近某テレビ番組で、箱根山の成り立ちについて見たため、当時(4年前)よりも少し詳しくなりました。
そんな経緯もあり、地図上で箱根山を上から俯瞰して見てみると、今回登った中央火口丘の一つである神山があり、周りの芦ノ湖や、以前登った金時山を含む外輪山で覆われていることがわかりました。
同時に、「箱根」とひとことで言っても、その歴史は古く、一度行っただけでは気づかない場所や楽しみがあります。また行ってみたいと思います。
そんな都心からほど近い箱根カルデラへ、まだ行ったことがない方、何度も行っている方も見方を変えて、今年のゴールデンウィークに気軽に行ってみてはいかがでしょうか。
箱根山の位置
参考