Stuben Magazine
2016年11月29日(火)
池袋のある書店で『Stuben Magazine』のトークイベントが開催されたので参加してみました。
Stuben Magazineトークイベント
『Stuben Magazine』は2015年に創刊したスノーカルチャー誌であり、長い歴史をもつ日本のスキー文化を中心に、雪国からの発信をコンセプトとした雑誌。
Stubenマガジンのクリエイティブディレクターを務める写真家の渡辺洋一氏と、フリー編集者の尾日向梨沙氏によって創刊された本誌は、僕の愛読書の一つです。
2015年のVol.01に引き続き、2016年秋にVol.02が発売され、それに合わせて全国数ヶ所でトークイベント『スキーと雪国の暮らしとStuben Magazine』が開催されました。
トークイベントは、巻頭にも掲載されている白馬八方尾根スキー場の誕生から始まり、70年の歴史あるリーゼンスラローム大会へ参加した話など、本誌の裏話を交えて進みました。
上の写真は今の八方尾根スキー場。中腹の黒菱から尾根沿いに、麓の名木山まで今のリーゼンスラロームコースが開拓されました。この開拓は戦後復興の大きな原動力となったことが本誌にも記載されています。
今回のStubenマガジンは、世界と日本の自然エネルギー活用の事例を紹介した「山岳リゾートと自然エネルギー」や、スノーサーファー玉井太朗氏が語る「山、川、海から見つめる北海道の自然環境」、青森県、秋田県、岩手県を巡る「北東北 山に生きる人とその暮らし」、その他雪文化に携わる人たちのコラムなど、雪に関わる人や自然にフォーカスし、題材一つ一つに時間をかけて取材を行い、1冊にまとめたものとなっています。
その質感にもこだわっている本誌は、製作過程の一つである印刷工程において、事前の校正は行わず、実機で刷ったものを見て、良いか悪いかを判断する現場主義でやってきたそうです。インキが付き過ぎてベタベタになったこともあったとか。
また、Stubenマガジンの本文用紙は、日本製紙石巻工場で、東日本大震災から約半年後に奇跡の再稼働と言われ、復興第一弾として製造された「b7バルキー」を使用しています。インキを良く吸う紙のようで、その香りが手元にある今も残っています。
Stuben Magazineを手にとって
昨今のデジタル化により紙媒体が減っている中で、五感で感じ取れる質感の本を作っていること、時間をかけて一年に一度だけの出版、日本の歴史ある雪国文化に焦点を当てた題材など、これからの本には読みものとしてだけでなく、「モノ」としての価値も必要になってくると、冬を前に感じることができました。
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