塔ノ岳(丹沢) 〜都心から近い巨大山塊、残雪の丹沢へ初めて挑む旅〜
春を迎える前に、残雪残る神奈川の山を堪能してきました。
塔ノ岳の記録
ひたすら登り一本で、だんだん頭がバカになってくることからそう呼ばれているのか、それともバカでも真っ直ぐ登れば到着するからでしょうか。
バカ尾根
塔ノ岳へ向けて出発です。 3月の朝はまだ寒いため、登り始めは少しウェアを羽織りましょう。帽子、手袋を携行するのが望ましいと思います。
大倉尾根は、塔ノ岳山頂付近以外はほとんど景観が期待できない登山道です。
代わり映えのない景色の登りは飽きてくるので、走って早くゴールに到着したいと思ってしまいます。
3月の神奈川とはいえ、歩き出すとすぐに熱くなります。
休憩時にウェアを一枚脱ぐと、自分の身体から蒸気がモクモクと発生したことに驚きました。
見晴茶屋(みはらしちゃや)
この茶屋は営業中のようです。
中には入らなかったけど、ベンチも多かったため少し休憩しました。
見晴茶屋の裏手からバカ尾根と呼ばれる登りの始まりです。 今回のメンバーは前回の大岳山でお誘いいただいたあずさん、マルちゃんです。
一本松(いっぽんまつ)
塔ノ岳まであと4km。車で高速道路をぶっ飛ばせば4kmは一瞬なのに対して、山の4kmはとても遠く感じます。
バカ尾根はまだまだ続きます。
駒止茶屋(こまどめちゃや)
単調な登りが一段落つき小休憩。このあたりで標高900mくらいです。
駒止茶屋から少し進むと、西側の展望が少し開けてきました。
そして雲の上からニョキっと白い物体が観えました。神奈川から観えるあんなに真っ白な物体はひとつしかありません。 上京して初の富士山。
日本人なら知らない人がいない認知度100%の山です。実際に観ることができ、少し感動しました。
堀山の家(ほりやまのいえ)
トイレを貸してもらえるとのことで小休憩。
山小屋の人が小屋の前で薪を切っているところに、山ガールが来て楽しそうに小屋の人と談笑していました。ぜひ混ぜてほしいところですね。
小屋の裏から再びスタートします。
足元崩落の危険があるので通行の際は注意してください。
再び階段モンスターが現れます。
山頂まであと3〜4割です。ここまで来たら頑張りましょう。
世間で丹沢と聞いて思い浮かぶのは関東大震災の震源地だそうです。(当然自分は生まれてません。)
登山で人気になったのはもっとあとの話で、塔ノ岳の麓を小田急線が通るようになり、横浜山岳会の人たちが、塔ノ岳山頂に山小屋を建ててくれたことが大きく関係していると言われています。
そして、丹沢は関東近郊の山々の中で、極めて山小屋が多いことでも有名です。
これらの理由から、都内からアクセスしやすい巨大山塊の人気に繋がっているのでしょう。
登りが一段落つき、フラットな登山道になりました。
次のポイント、花立山荘まであと少しです。
秦野市かな。
つまらない景色がずっと続いていましたがやっと街並などの景色が観えるようになってきました。
花立山荘前の階段から観た鍋割山方面。
丹沢山塊がどこまでも連なっています。丹沢制覇したいですね。
花立山荘(はなだてさんそう)
宿泊もできます。コーヒーなども飲めるそうですね。今回はいただきませんでした。
ここまでくれば大倉尾根の8割程終了です。風が通り抜けるため、身体を冷やさないために少しだけ休憩して出発した。
金冷し(きんひやし)
その名の通り本当に冷えますね…
本当に冷えるなぁ〜
………..
ここで軽アイゼンを装着します。
ヤマレコで事前に調べていた情報通り、ここから山頂までは凍結している箇所もあり、軽アイゼンが必要ということがわかっていたので、登山前に購入しておきました。
装着完了
一緒にスパッツも購入。
歯がザクザク刺さるため非常に歩きやすいです。
同行した2人はスノースパイクというものを使っていました。
着脱が楽で歩きやすそうでした。
塔ノ岳 1,491m
視界良好です。富士山もくっきり観えました。
左から厚い雲が迫っているのが気になりますが。
丹沢山塊と富士山。
蛭が岳方面です。丹沢最高峰。
いつか行ってやると心で想う。
山頂はベンチがたくさんあったので、座って昼食を食べました。
昼食食べてたら塔ノ岳名物のシカが現れました。
人間に馴れているため逃げる気ゼロです。
一体いつからいるんでしょうか。
非常に気になる存在です。
山頂周辺は鹿によるものかどうかは知りませんが食害が問題になっているそうです。
尊仏山荘(そんぶつさんそう)
塔ノ岳の別名は尊仏山です。昔、尊仏岩という信仰の対象でもあった巨大岩が山頂にあり、小屋名もそこから来ているそうですが、関東大震災で転がり落ちてしまい、もうないそうです。
南側には秦野市と思われる街並が観えます。
鍋割山の鍋焼きうどん
十分山頂を満足したので、塔ノ岳を後にします。
次来るときは丹沢山まで行こうと思います。
下りも軽アイゼンが良い働きをしてくれました。
ここにもシカがいました。子どものシカみたいですね。
あちらは丹沢表尾根コース方面です。
表尾根コースは景色もよく、「関東近郊でアルプス気分が味わえる」というキャッチフレーズがあるほどの展望だそうです。
このまま来た道を戻って帰りましょう。とはなりません。
せっかくなので鍋割山(なべわりやま)にも行くことにしました。
ルートはこんな感じです。
鍋割山名物の「鍋焼きうどん」を目指しいざ出発。
鍋割山方面はいい感じに雪が残っていて歩きやすかったです。
雪山登ってます。って感じが伝わってくるでしょうか。
大丸(だいまる)
マルが大丸を軽いステップで通り過ぎます。
小丸(しょうまる)
塔ノ岳から鍋割山へは2つのピークを超えていかねばなりません。
上がって下っての繰り返しです。
富士山の手前に見える真ん中の山が鍋割山です。 ゴールが観えるとあと少しだと実感できます。
山頂が観えてきました。塔ノ岳に続き、2つ目のピークも目の前です。
鍋割山 1,273m
標高が切れてしまっていますが、到着です。
山頂は塔ノ岳と同じくらい賑わっていました。
鍋割山のほうが若干年齢層が若い気がしました。
丹沢山塊の全容が載っていました。
そういえば標高2,000mに満たないのに、塔ノ岳の山頂部分はほとんど森林がありませんでした。
どういった理由か機会があれば、調べてみたいものです。
鍋割山荘で早速鍋焼きうどんを注文しました。
中で食べている人もいましたが、自分たちは当然、外で食べます。
青空の下で食べる鍋焼きうどんにはどんな名店も敵いません。
ここでしか味わえない味です。 これを食べたくて鍋割山だけ目指して来る人もたくさんいるそうですが、解る気がします。
ここまで頑張ってくれた軽アイゼン。どろどろです。持って帰るのが嫌になります。
鍋割山には立派なトイレがありました。神奈川県丹沢整備といい山に金かけてくれてますね。
下山開始
軽アイゼンは必要なさそうなのでザックに納めました。
うどんも食べて元気になったので、ここからはサクサク降りるだけです。
後沢乗越(うしろざわのっこし)と読みます。
地図では50分と書かれていたが、実際は30分程度で到着しました。
自分たちは大倉へ戻るので、二俣(ふたまた)を目指します。
延々と樹林帯が続くため飽きます。
途中、枯れ果てたであろう沢沿いに出ました。
と思ったらその先には水が流れていました。
延々と続いていた樹林帯を抜けて、水の流れる音が聞こえてくると、それまでの疲れが少し和らぐ気がしました。
たぶん気のせいですけど。
二俣(ふたまた)
二俣に2Lペットボトルの水が大量に置いてありました。体力に自身のある人が鍋割山荘まで水を持って行くシステムみたいです。余裕のある方はぜひ。
二俣からは平地を4.0km歩きます。
一体いつになったら着くんだと文句を言いながらもひたすら歩くしかありません。
先ほどまであの辺りにいて一気に降りて来ました。
人はどこまでも歩ける気がします。
やっと林道抜け出し、住宅が何軒か見えてきます。
もう時間は17:00手前で、夕暮れの時間帯です。8時間くらい山の中にいたことになります。
山が夕日で照らされていました。
住宅街を抜け、大倉へ無事到着し、靴を洗って少し休んだ後に東京へと帰りました。
塔ノ岳のまとめ