両神山(奥秩父)〜二つの神を祀る埼玉の奥地、新緑と鎖を満喫する登山の旅〜
2013年04月27日(土)
埼玉県の奥秩父の北端に位置する両神山(りょうかみさん)に行ってきました。
標高は1,723mあり、山頂に至るまでには鎖を使って登ったり、切り立った岩場を通過したりするスリル満点の山です。
かつては信仰の山としての色が強かった両神山は、登山道に石碑や石像が置かれていますが、現在は週末のハイキングで登るという人がほとんどです。
GW前半、埼玉県の奥地で新緑を身体の上から下まで堪能する日帰りの旅に出発します。
両神山の記録
奥秩父(おくちちぶ)
その名の通り山に囲まれた秩父市のさらに奥にあることは想像できる。
奥秩父の主脈は東アルプスなどと呼ばれることもあり、雲取山、甲武信ヶ岳、瑞牆山などを縦走するコースは日本アルプスのような雄大さはないが自然の深みを体感できることで人気があると聞きます。
いつか挑戦してみたいですね。
両神山はそんな主脈からは外れた北峰に位置しますが、奥秩父であることに変わりはなく、当然都内からのアクセスも不便極まり無い。
都内を早朝出発し、花園ICで高速道路を降り、そこからさらに約1時間半車を走らせる。
両神山へのアクセスは都心から約3時間。数ある登山口の中から今回は日向大谷口(ひなたおおやぐち)から登る表参道コースを選びました。
日向大谷口まで公共交通機関を利用する場合、都内から来るとバスを2本乗り継がなければ登山口に辿り着けないなど難点が多いです。
他にもスリリングな八丁峠コースや有料の白井差新道もありました。
どちらも気になるコースのため、次来るときはぜひ違うコースを選びたいと思います。
両神山荘脇には桜?が咲き誇っていました。
今回はまだ早かったみたいですが両神山はアカヤシオが山頂一帯に咲くことで有名です。
登山道はその脇を通っていく形になります。
山頂まで約5.1km。
奥秩父山域初となる登山のスタートです。
序盤は新緑ハイキング。
「両神」という名前はイザナミ、イザナギの2つの神を祀っているところから来たとされている。
しかし実際には、2つの神を祀った後に両神と名付けられたそうです。
すごく簡単に説明すると、
八日見山(ようかみさん)→竜神山(りゅうがみさん)
→両神山
という変更があったそうです。
山名って聞き間違いから変化してる場合が結構あるそうです。
ともあれ、八日見山などは日本武尊時代の話であり、それだけ歴史ある山で大事にされてきたことがわかります。
無理な登山はやめよう。
そう言われると身体が動くうちに頑張って無理してでも登山しようと思ってしまうのはなにか間違っていますか。
両神山のオススメの時期として春の新緑と、秋の紅葉が巷では上げられます。
春の新緑、納得です。
G.W.序盤は天気が良く、出だし好調です。
G.W.は存分に遊んでやろうという気になるため、普段行かない場所などに行こうとか色々考えてしまいます。
血塗られていました。
信仰の山の雰囲気が登山道からも出ています。
沢沿いを進んで行きます。
このとき時刻は午前10時ごろ、早朝出発の時点で東京はすでに蒸し暑かったが、奥秩父の山の中では雪解け水が勢い良く流れ、春らしい清涼感を肌で感じ取れました。
八海山(はっかいさん)
新潟に同じ名の山があったはずです。日本酒も有名です。
関係あるのかな。
ここまでで大体半分くらい来ました。
これまでの道のりで新緑はとても楽しめていいのですが、展望がないので少し飽きてきます。
弘法之井戸(こうぼうのいど)。
ちょろちょろ水が出ているので給水できます。
自分はしませんでした。というよりも写真を見返すまで水に気付かなかった。
そして、その上から弘法大師像が登山者たちを見守っています。
こういう小さなところでも歴史と信仰の山を感じとれます。
清滝小屋に到着。
ベンチもあるのでここで休憩するといいでしょう。
現在は避難小屋になっているため、緊急時はここへ逃げ込みましょう。
小屋の横にはテント場もあるので、1泊してのんびり山頂を目指すスタイルで挑んでも良い山かもしれません。
両神山まであと1.4km地点まで来ました。
ここからは日向大谷口コース初となるクサリ場の登場です。
八丁峠コースはクサリ場の連続がもっとあるという情報も後々入手しました。
緊張の鎖場は、鎖を使わなくても登れる程度ですが、油断せず慎重に行きます。
鎖場の連続が終わると、両神神社に辿り着きます。
ここが両神神社の本社にあたります。
変わった狛犬が2匹待ち構えていますが、これは犬ではなくオオカミであるということを後から知りました。
何があったらこんなえぐれ方をするのか気になりますね。
山頂間近の案内が現れました。
最後の危険箇所である鎖場を乗り越えればゴール間近です。
山頂少し手前からは秩父の街並が観れます。
尖って見える山は武甲山でしょうか。
街から見える山に登り、その街を見渡す登山はどこかロマンを感じます。
PM12:58 両神山 1723M
約4時間での登頂となります。
特徴的な切り立った山頂部の岩場は立ってみると狭く、10人もいられない広さでした。
山頂からは360℃の展望があり、奥秩父、西上州、空気が澄んでいれば北アルプス、八ヶ岳まで見渡すことができます。
登山事故で「遭難」というものがありますが、その点に関しては日本アルプスなどの存在感ある山よりも奥多摩や奥秩父のほうが危険な場合もある気がします。
日本観光地百選に選ばれた両神山。
観光地にしてはアクセス悪すぎると思います。
今回初参加のマリさん。
初めての登山でこんなスリル満点なところに連れてこられて泣きそうになっていました。
八丁峠コースは紅葉時期に来ると、稜線上から鮮やかな紅色の絨毯が斜面を彩る光景を観れることで知られています。
次の両神山行きは決定か。
山頂部は狭いためハイカーの皆さんは各々スペースを見つけて休憩してました。
自分たちは山頂から少し下ったところにあった良さげなベンチでお昼休憩を済ませました。
来た道を引き返します。
一度通った道なのでスイスイ進みます。
山にゴミを残してはなりません。
清滝小屋に戻ってきました。
初参加のまりさんは靴擦れを起こしたみたいで、自分が持っていた大きめの絆創膏を授けました。
自作ファーストエイドキッドが初めて役に立ちました。
ここからの下山道は来た道同様、これと行った見所もないので一心不乱に歩きました。
疲れたときに聞く川の水が流れる音は、心を落ち着かせる効果が確実にある気がします。
PM17:26 下山
下山途中、斜面から滑落して頭部をケガしたおじさんがいました。
通りがかったおじさんが看病していたが、頭部からは血が流れていたのでその後どうなったか心配です。
車へ向かう途中に見つけた人形。
これなんでしたっけ。
知ってる方いたら教えてください。
下山後は道の駅大滝温泉に立ち寄りました。
日帰り入浴700円です。
風呂上がり、秩父ということでそばを食べることになりました。
しかし、良さそうな店が見当たらず、時間も遅くなってしまったため、福島県発祥のチェーン店でお腹を満たし、東京へ帰りました。
山はその一つ一つに特徴となる色があると思います。
両神山は、神を祀る山として信仰の面影が至るところに出ていて、古くからの信仰の山という色が濃く出ていました。
GWに春の新緑を感じる登山をしたいと思いの方も多いと思います。
しかし、標高の高いところでは雪が解けていないため気軽には足を踏み込むことができない、低すぎると暑くて登っていられないとお困まりの方も多いと思います。
そんなとき、奥秩父の両神山を思い出してください。
新緑、清流、クサリ場、切り立った岩場などスタートからゴールまで、これほどバリエーション豊かな登山を体験できる都内近郊の山はあまりないと思います。
この時期に来ることがあればアカヤシオの開花をぜひ狙ってみると、より良い旅になるかもしれません。
両神山の位置
両神山の地図